さて今日の羽田→伊丹は

いつものように羽田から、としたいところだけど、某所より質問があったので、詳しくデコード。

METAR RJTT 200900Z 24009KT CAVOK 14/03 Q1012

RJTTは羽田を意味します。200900Zは、20日0900協定世界時、つまり日本の20日18時。24009KTは、北を0度として240度の方角、西南西ですかね、9ノットの風。CAVOKは快晴ということ。14/03は、気温が14度、露点が3度(両方とも摂氏)。Q1012は1012ヘクトパスカル。

羽田には16L/34R、16R/34L、04/22という3本の滑走路があります。16L/34Rと16R/34Lは平行滑走路、04/22は横風用の滑走路です。数字はMETARの風向と一緒で角度を10で割ったもので、16Lとは160度の方向に向かって離陸・着陸する(つまりほぼ北から進入、あるいは滑走開始するということ)平行滑走路の、左側(東側)に位置する滑走路を指します。

METARを見て使用する滑走路がほぼ分かるのは、主に風向によります。METARの風向と近い滑走路を使えば、向かい風で離陸・着陸することになるからです。基本的に飛行機は追い風での離陸・着陸はしません。ただし、風が弱ければあまり風向は関係なく、空港ごとの運用ルールに従って離陸・着陸が行われます。今日は240度という風向だけ見ると22という滑走路を使いそうなもんですが、実際には34Rからの離陸でした。9ノットはだいたい風速4.5メートル。問題にならないということでしょう。

もし16025KTなんて風が吹いていたら、羽田で最も嫌な着陸パターンである16Lへもれなくご招待です。大阪発の場合、伊豆大島から千葉県の御宿上空を通過して房総半島を横断し、お台場上空を越えてから左に大きくバンクし、倉庫の上空を低空飛行してくれます。座席は左の窓際がオススメ(笑)。札幌など北日本からの場合、茨城県の大子上空からお台場上空に進入してきて、あとは同じパターンになります。

伊丹。

METAR RJOO 200900Z 27005KT 230V300 9999 FEW025 SCT050 BKN070 13/03 Q1018

RJOOは伊丹を意味します。同じ時刻のデータ。27005KTは、270度、つまり5ノットの西風ですが、230V300とあるので、230度から300度の間で風向が変化し続けている状態。9999は視程、つまり滑走路上での視界をメートルで示しています。これは10kmということ。FEW025、SCT050、BKN070は雲量を示していて、2500フィートに全天の1/8〜2/8、5000フィートに全天の3/8〜4/8、7000フィートに全天の5/8〜7/8を占める雲があるということで、かなり雲量が多い様子。ちょっと揺れるかな?と予想できます(事実、アプローチは揺れました)。13/03は、気温13度、露点3度。Q1018は1018ヘクトパスカルです。

伊丹は32L/14R、32R/14Lという平行滑走路を持ちますが、32R/14Lは短いので短距離で離着陸する機体が使用し、767(B6)や777(B7)などは32L/14Rを使います。胴体着陸でニュースになったANAのボンバルディア機は高知-伊丹線等に就航していて、伊丹の展望台から見ていると32R/14Lで離陸する様子がよく見られます。この風向と風の弱さだと着陸は32Lだと予測され、実際にそうでした。

ちなみに、CA、キャビンアテンダントが「最新の情報によりますと、到着地大阪国際空港の天気は〜」とアナウンスするのはこのMETARデータがベースだと思います。

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