家庭用バックアップ電源・防災まとめ

防災用品の棚卸しを毎年やっているのと、ポータブル電源やソーラーパネル、カセットガス発電機を実際に使ってみた記事が増えてきたので、家庭用バックアップ電源まわりのリファレンスとしてまとめておく。

ここで想定しているのは、家全体を何日も平常運転させるような本格的な蓄電池システムではなく、停電時に「通信」「照明」「スマホ・PC」「冷蔵庫など一部の家電」をどこまで生かすか、という現実寄りの話。

結論から言うと、家庭用の備えとしては、まず1000Whクラスのポータブル電源を1台、次にソーラー充電か発電機のどちらか、最後に水・食料・照明・通信手段を含めて年1回棚卸し、ぐらいが扱いやすい。

まず決めること

ポータブル電源は容量が大きければ良い、というより、何を何時間動かしたいかを決めないと選びようがない。拙宅では以下の優先順位にしている。

優先度残したいもの理由電源の考え方
1スマホ、ルータ、最低限の照明情報収集と連絡が止まると困る小型バッテリーでもよいが、長時間ならポタ電
2冷蔵庫、扇風機、PC生活への影響が大きい1000Whクラスが扱いやすい
3調理家電、電気ケトル、電子レンジ消費電力が大きい定格出力と瞬間最大出力を確認
4エアコン、家全体ポタ電だけでは荷が重い住宅用蓄電池や発電機の領域

特に冷蔵庫やポンプ、モーター系の機器は起動時に電力を食うので、容量だけでなく出力にも余裕が必要。ポータブル電源の商品ページではWhだけが目立つことが多いが、実際には定格出力、瞬間最大出力、パススルーやUPS動作、充電速度、待機電力の方が効いてくる。

1000Whクラスが基準になる

最近の1000Whクラスは価格がかなり下がってきて、家庭用の最初の1台としてはこのあたりが基準になると思う。以前、1000Whクラスのポタ電比較で、Anker / EcoFlow / Jackery / BLUETTI / DJIを、静音性、待機電力、急速充電、ソーラー、家庭UPS適性、価格などで並べた。

ざっくり言うと、用途ごとの見方はこう。

重視すること見るべき項目理由
普段からUPSっぽく使う切替時間、待機電力、ファン音常時接続だと地味な消費と騒音が効く
災害時に短時間で満充電したいAC急速充電停電前後の限られた通電時間で回復できる
日中に粘りたいソーラー入力、MPPT、パネル互換性容量より発電と充電のバランスが重要
家電を動かしたい定格出力、瞬間最大出力容量があっても出力不足だと動かない
持ち出したい重量、取っ手、サイズ1000Wh級は軽いとは言っても重い

拙宅は管理アプリを複数使いたくないのでAnker寄せにしている。Anker Solix C1000に移行して、その後にAnker Solix C1000 Gen 2の問題点も書いた。スペックだけ見ると分からない使い勝手は、やはり実際に置いてみないと分からない。

ポータブル電源だけでは長期戦に弱い

ポータブル電源は便利だけど、蓄えてある電気を使い切ったら終わり。1日未満の停電なら容量で押し切れるが、長引くと充電手段が必要になる。

充電手段強いところ弱いところ向いている場面
AC充電速い、確実停電中は使えない普段の満充電、計画停電前
ソーラーパネル燃料不要、静か天候と設置場所に左右される昼間に少しずつ粘る
カセットガス発電機天候に左右されにくい屋外運転、騒音、燃料管理が必要長時間停電時の再充電
比較的手軽燃料と排気、充電速度非常時の補助

ソーラーは、以前は太陽光発電を断念したこともあったが、その後に太陽光発電を再開した。さらにソーラーパネルを追加している。ソーラーは夢があるが、置き場所、角度、影、ケーブル取り回しの問題が大きいので、災害時だけ急に出して理想通り発電すると思わない方が良い。

発電機については、カセットガス発電機でポタ電を充電するで試している。これはポータブル電源の再充電手段としては強い。ただし発電機は一酸化炭素中毒のリスクがあるので、屋内、車庫、ベランダ、換気の悪い場所では使わない。消費者庁も、携帯発電機は屋内で絶対に使用しないよう注意喚起している。

参考: 携帯発電機やポータブル電源の事故に注意! - 消費者庁

容量より運用を決めておく

防災用品として見ると、ポータブル電源は買ったら終わりではなく、運用を決めておく方が大事。

  • 普段は何%で保管するか
  • 何カ月ごとに残量を確認するか
  • 停電時にどの機器をつなぐか
  • 延長コードや電源タップをどこに置くか
  • ソーラーパネルをどこに広げるか
  • 発電機を使うなら、どこで運転して、燃料をどれだけ置くか

このあたりを決めておかないと、いざ停電した時に、ケーブルが無い、変換アダプタが無い、重くて動かせない、ファンがうるさくて寝室に置けない、という話になる。

リチウムイオン電池を使った製品は、発熱・発火の事故情報も出ている。異常な発熱、膨張、異臭、落下や水濡れ後の使用、廃棄方法には注意が必要。これも消費者庁が注意喚起している。

参考: リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう - 消費者庁

防災用品全体で見る

電源だけを厚くしても、防災としては片手落ちになる。水、食料、衛生用品、照明、ラジオ、電池、カセットガス、工具類などと一緒に棚卸しする方が良い。

拙宅では防災・備蓄品棚卸し(2024年版)防災・備蓄品棚卸し(2025年版)として見直している。電源まわりは、この棚卸しの中の一項目として毎年更新するのがちょうど良さそう。

拙宅の暫定構成

現時点の拙宅の考え方は以下。

用途構成考え方
短時間停電ポータブル電源単体通信、照明、スマホ、PCを優先
半日から1日1000Whクラス + 必要家電を限定冷蔵庫などを必要に応じて間欠運用
晴天時ソーラーパネル消費しながら少しずつ戻す
長期停電カセットガス発電機でポタ電を再充電屋外運転を前提に、燃料も管理
普段の備え年1回の棚卸し期限切れ、劣化、ケーブル不足を潰す

最初の1台なら1000Whクラスを基準にしつつ、ソーラーや発電機まで一気に揃えるより、まず「停電時に何を生かすか」を決めるのが先。電源は買えば増えるが、運用は決めないと増えない。

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