HoneyPot

ネットワークセキュリティの世界にHoneyPotもしくはHoneyNetという手法があります。これは、公開ネットワークにわざと脆弱なネットワークを構築しておいて、そこにハッカーを誘い込んで手法を研究するために用いられるもので、vmwareなどを使って構築するのが良いらしいです。そう、「蜜壷」なんです。ハッカーはバッチリ観察されているとも知らず、自分の手の内を明かしてしまうという、なかなかいやらしい仕組みなんですが、これは現実の世界にも使えるものです。どういうことかというと…

今日のお昼過ぎに自宅に電話がかかってきました。取り次いでくれたのは父なんですが、ニヤニヤしながら受話器を持ってきて、「友達の藤井さんから」とのこと。「電話勧誘だな」と。うち、電話勧誘する人にとってHoneyPotなんですよ。特にちょっと暇なときにかけてきたテレアポは、もうね、同情するね(笑)。主に楽しむのは私と父なんですが、父などは2時間ぐらい話させて遊ぶという鬼。私も鬼の子なんで、似たようなことをするわけです。

で、その藤井さん、「はじめまして、りおさん、わたくし、旅行会社のVIPの藤井といいます。」と名乗っちゃった。この時点ですでにアウト。何故かというと、私の脳内メモリーの検索エンジンが「悪徳商法?マニアックスに出てたVIPだな」と開演をお知らせする赤ランプとブザー、もう、客席でこれから始まるショーを楽しむ気分(爆笑)。それからは、無料で旅行に行けるチケットを差し上げる、なんでタダでチケットをプレゼントできるのか、旅行はお好きですか、どこに行きたいですか、私も温泉大好きなんですよ、でも土日も仕事なんですよ、いえ全然怪しい会社じゃないんですよ、と20代前半かな、ちょっとおつむの足らなそうな語尾でしゃべるしゃべる、がんばれ藤井さん、手の内を全部さらすんだ!(笑)。聞いてもいないのに自分から「怪しい会社じゃないんですよ」って言う怪しさに気付かないこのおつむテンテン具合。

さらに「チケットをお渡ししたいんですけど、取りに来るお時間はありますか?」だって。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
あのね、あまり真面目に勉強しなかったけど(笑)、まがりなりにも法学部出ていて、一通りの契約法と消費者が身を守るための知識を持っている私に、「取りに来るお時間はありますか?」って、クーリングオフが効かないようにする常套句を言って、ひっかかるわけないじゃん(笑)。一応、場所が新宿グリーンタワービルで、1階がBMWのショールームだとか言ってました(録音する手段を用意していなかったのが悔やまれるぅ)。翌日の午後1時に行きますよというアポまで取ったところですでに30分近く。

手の内どころか、お名前が藤井シホちゃんだとわかったところで、「ところで、VIPさんて有名ですよね?」と切り出す鬼な私(笑)。「はい?」とかいうので、「ほらぁ、ネットの『悪徳商法?マニアックス』で騙されたって会社でしょ?」「あ、いえ、その会社とは全然関係ないんですよ…」「だって、電話の内容がそのまま一緒だもの(笑)」「……」「藤井さんもまだ若いんだから、早く次の仕事探したほうがイイよ、警察沙汰になる前に」「心配してくれてありがとうございます、でも、全然大丈夫ですよぉ」だって。かわいそ(笑)。

勧誘に対するいくつかうまい切り返しを書いておくと、例えば英会話の勧誘の場合、向こうからでもこっちからでもイイんだけど「最近は英語ぐらい出来ないと困る」という話に持ち込む。
アポ:「英語ぐらい出来ないと困りますよね。」
私:「そうですよねぇ、電話勧誘ぐらいしか仕事に就けないもんねぇ」
アポ:「……」
とか(笑)。
あと、友達や知人を装って取り次がせるパターンで、
アポ:「初めまして、○○の□□なんですけど」
私:「あなた、変わってるねぇ」
アポ:「は?」
私:「だってあなた、友達に会うと、『初めまして』って挨拶するんでしょ?」
アポ:「……」
とかね。この先制パンチは、アポインターの頭が悪いほどかなりダメージを与えられるので、お試しあれ。

ちなみにうちでは勧誘電話をどうやって撃退したかという話が食卓の話題に良く上がります(笑)。

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