童神

夏川りみという歌手がいる。森山良子の作詞した『涙(なだ)そうそう』という歌でかなり有名になったので知っている人も多いと思うが、自分は『涙〜』しか知らなかったし2月に石垣に行った際にダイビングショップのご主人が「あの子は小さい時からうまかったさぁ」とか言っていて、その時は「へぇ」ぐらいにしか思っていなかった。
先日、実家に戻った時にたまたまテレビ東京の『たけしの誰でもピカソ』を見たら森山良子の特集で、夏川りみも出ていた。そこで『童神』という歌を歌った。彼女の歌のうまさだけでなく、とても丁寧に魂をこめて歌っている姿に、最近とんと音楽を聴かなくなった自分が感動した。翌日CDを買いに行ったら夏川りみは売り切れていて、仕方なくレンタルでアルバム3枚を借りてきた。
アルバム『南風』に収録されている『童神』はウチナーグチ(沖縄方言)で、テレビで聴いたときよりスローテンポなのだが、これがとても良い。ウチナーグチは転訛があるため、例外はあるにせよ、基本的に「エ行」の音は「イ行」に、「オ行」の音は「ウ行」になる。「天からの恵み」が「てぃんからのみぐみ」という音になり、より優しい音になるので、彼女の柔らかい、時に力強い歌声に非常に合っている。
本当に良い音楽は時代を超えられると思うのだけれど、最近の音楽はくずばっかりで、CDの売り上げが落ちているのは何もコピーが横行しているだけではないと思っている。それでも、歌を歌うことが好きな人が一生懸命に歌う、何かが伝わってくる歌は廃れないだろうと思った週末だった。

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