Welcome to the real world

OracleがRed Hat Linuxのサポートを半額で提供。各所でニュースになってますが、このニュースを聞いて思い出したのは”The MATRIX”のMorphiasのセリフ、Welcome to the real world(^^ゞ
なんでWelcomeかというと本気でLinuxをやろうとしているとは思えないから、まあ皮肉なんだけど。

まず、Larry Ellisonが決して成功しているとは言えないMiracle Linuxという自分の子会社の存在を記憶しているならば、OSSビジネスの難しさを理解しているはず。従って、Red Hatのソースを持ってきてビルドするというCentOSの真似事から始めるよりも、Red Hatを買収しちゃった方が安く済むから、本気での発言とは思えない。
もし、もう耄碌しかかっていて忘れちゃってるとしても、Oracleに出来ない理由がいくつか簡単に思いつく。1つ目は社内のカルチャー。なんせ不具合修正を迫られると「それは難しいですねぇ」って逃げちゃうやり方は、下手するとエンドユーザからソースを突きつけられるOSSビジネスでは通用しない。つまりちゃんとエンジニアを雇用する必要がある。もちろん、雇用するための資金には事欠かないけれど、果たしてOSSのエンジニアがOracleのカルチャーに耐えられるかな?
次にセールスサイドの事情。安くなったとはいえ1本1,000万円のDBと、仮にRed Hatの半額とすれば1本10万円のOS。もしあなたが営業なら売りたいのはどっちかな?
でもまあ、小さいディストリビュータが商売出来ているので、Oracleがやってやれないことは無いと思うけどね。

OracleがRed Hatを買収しちゃうというのも考えられなくはないんだけど、どういう意図で一連の発言をしているのか、ちょっと考察。
まず1つ目に「Red Hatの買収金額を下げる」ということ。株価が下がれば買収しやすくなるという単純な話。2つ目。JBoss幹部に対する嫌がらせ。Red HatがJBossを買収した金額は約$350Mで、このうち40%が現金、残りは株。Oracleに「買収されなかった」JBoss幹部にとっては、この株価下落は痛いはず。

でも、既にダウンロードも出来るようになったので、一応やる気なんだろうな。

追加で考えたこと。Red HatがOracle Enterprise Linuxを1本買って、bugzillaの全ての問題をサポートしてくれって言ってOracleに投げたらどうなるんだろう(笑)。「Red Hatが修正するまでお待ちください」ってなるんだろうな(爆笑)。

RHELにはPostgreSQLとMySQLが同梱されているけど、これもサポートするのかな、Oracle。