Sun. 2000.09.03

REALbasicの高速化の技法と、まだ途中だけどLICENSEのCG検定をアップしました。正確には高速化の技法は更新というべきで、追加したものと、Rb3.0a6Jで確認したらちょっと変わっていたところがあったので、その情報を反映したと。

書こうと思っていて忘れていたものをちょっと書く。

JOC、雪印、三菱、医療ミス、警官の不祥事、こういった事件がこのところ立て続けに起こってますが、この状況はどういった時代に似ているかお分かりでしょうか?
後述する論旨を理解していただくためには、私が「この状況」と指している部分を説明する必要がありますので、少し紙面を割きましょう。日本という国と例えば韓国という国、もしくはヨーロッパのいずれかの国でも結構なんですが、一見、経済規模という点で似ている2国を比較した場合、最も違うのはどういった点でしょう? それは社会インフラの充実という点です。日本の道路(有料ではあっても)、電話網、建築物、どれをとっても国の隅々に至るまで浸透しきっています。ソウルという街もパリという街も私は訪れたことがありませんが、高校の地理で学習した、または人から聞いた話では、市街地の中心から少し離れるとすぐに「田舎」になってしまうそうです。

つまり「ハードウェア」に関してはものすごいリソースを抱え込んでいる国だと言えるのですが、さて、「ソフトウェア」、つまり人的資源の数量ではなく、数量×質で見た場合にはどう評価されるべきでしょうか? 以前にも書いたと思いますが、現在の学生の学力は驚くほど低下しています。10年前の7割程度の能力だと思って間違いないです。もちろん、数量的にも少子化が進んでいるため、仮に絶対数が7割とした場合、0.7×0.7=0.49ですから、現在の半分以下のマンパワーしか持たない国、それが10年後の日本という国家です。

さて、文頭の日本の新聞を賑わす問題の核心は、エキスパートの不在です。JOCでは、私のような文系学部しか卒業していない人間でも知っている、ウランやプルトニウムといった物質が、臨界量を超えれば臨界してしまうという基本的事項を忘れていた「エキスパート」の存在が、事故の原因となりました。

雪印の大阪工場(原因は大樹工場で生産された脱脂粉乳のようですが)では、シェアNo.1に傲った「エキスパート」が、黄色ブドウ球菌の産出する毒素が含まれた原料乳を還流させたために、大量の食中毒患者を出しました。

三菱の場合はちょっと違います。皮肉なことに、情報を隠すエキスパートがいなくなってしまったために、露呈したというのが事実でしょう。

医者という職業は、古代よりエキスパート中のエキスパートとされる職業ですが(故に、高給が許されるのです)、一歩間違えば人を殺してしまう「エキスパート」になりさがってしまいました。

今、「エキスパート」と書いた人たちはエキスパートでもなんでもなく、質の悪い教育と、そのチェックが為されない社会構造によって生み出された「アマチュア」たちです。

そして、論旨は「どういった時代に似ているか」という点に移るのですが、歴史上、国家がこういった状況に陥るのは戦争時なんです。戦争において最も浪費されるのは人的資源です。働き盛りの世代が軍隊に取られるわけですから、社会システムを運営する人的資源が枯渇してしまうんです。警察機構や医療サービス、行政機構、経済機構、あらゆる社会システムが麻痺するのは、何もB-29の爆撃によってだけではないのです。そろそろ太平洋戦争の戦後が終わるかと思いきや、意外なことから「戦争状態」になっている日本に気付いてますか?

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