一昨日かな、広末涼子の「秘密」をテレビでやっていて見たんですが、意外と素直に見られました。いや、広末嫌いなんですがという意味で。やっぱり演技はうまいんだろうなぁ、これって。で、見終わった後しばらく考えていたんですが(この時点で引き込まれてるやん)、ああいった心身二元論的なことってあり得ないなぁと思ったのです。近代科学では、「脳と体は別のもの」といった教わり方をしますが、実際の人間の体は総体としてネットワークであって、記憶だけが分離する、もしくは人格だけが分離するってことはあり得ません。多重人格の場合、OSI参照モデルの物理層を共通とし、それ以上の階層が違う状態に例えることができると思いますが、「秘密」みたいに娘の体に母親の魂が入るなんていう、物理層すら共有しないネットワークはあり得ないわけです。
まだまだ私などはプログラムの初心者に過ぎないんですが(だって経験が浅すぎて…)、うつろいゆく物質世界のある瞬間を、プログラムという情報世界に書き写すという、なかなかロマンティックな仕事なんだなぁと最近は感じています。特にオブジェクト指向の場合この傾向は顕著で、あるプロパティがどのクラスに属すべきか、さらにそのクラスのコンストラクタは、クラスが生成される際に付与すべきプロパティを知っている(内包している)べきか否かなど、物質世界とリンクすべき事柄がとても多いんだなと感じています。例えば、水素という物質は、陽子1個と電子1個から成りますが、水素の性質を決定しているのはこの構造がコンストラクトされた瞬間であって、後からプロパティを付与されたわけではありません。したがって、オブジェクト指向において理想的なのは、あるクラスが「どう振る舞うか」「どのような性質を持つか」を自ずから知っている状態といえるのではないかと。この考えに沿っていくと、コンストラクタの設計が非常に明解になる、はずなんですが、Rbなどでもこれがなかなか(^^ゞ
心身二元論:デカルトって人が言い出したらしい。それまでの西洋では「霊肉二元論」ってのが支配的で、この心身二元論ってのが近代科学の発展に寄与した功績は計り知れない。Cogito,ergo sum、「我思う故に我有り」という言葉に集約されるが、この言葉自体は寺沢武一のコミック「コブラ」で私は覚えました(笑)。
多重人格:『ビリーミリガン』とか読んでくれ。
OSI参照モデル:Open System Interconnection Reference Model。ISOが制定したネットワークのプロトコルスタック。物理層からアプリケーション層までの7層で成る。
ISO:International Organization For Standardization。国際標準化機構。工業製品の国際標準化を目的として設立された国際機関。
コンストラクタ:Constructer。オブジェクト指向でクラス(雛形)を生成する際に走るルーチン。Rbではクラス名と同じ名前のメソッドを定義すると、それがコンストラクタになり、その名前の最初に~(チルダ)を付けるとデストラクタになります。Openイベントとは別のものなのに、なぜかWindow(Dialog)クラスにはコンストラクタが設定出来ず、ちょっと気持ち悪いです。