高村薫『神の火』下巻、塩野七生『レパントの海戦』読了。
『神の火』は高村作品としては典型的な手法かな。荒唐無稽な筋書きを緻密な描写で現実的に見せるというか…(この手法は”THE MATRIX”も同じか?)。ただ、後年の『リヴィエラを撃て』『マークスの山』、もしくは最新の『レディ・ジョーカー』と比較してしまうと、下巻の荒唐無稽さが突出してしまって、「ああ、こんなすごい作家でもこんな時期があったんだな」と妙に納得(夏目の『我が猫』にあたるというか…)。た・だ・し、この作家の「緻密さ」というのは生半可ではなく、原発、コンピュータ、写真の現像、ライフルなどの火器類、もちろん舞台となっている大阪・舞鶴近辺の描写は「見事」という形容しか思いつきませんが。良く調べるよねぇ。女性でこれだけ理系に強いというのはすごいですね。ご本人も「理系的知識が好き」とおっしゃられているようですが。高村をまだ読んだことの無い人は損をしてますよ、って私も人から教えてもらったんですけどね(笑)。
『レパントの海戦』はというと、『ローマ人の物語』ほどの緻密さは無くて、少しがっかり。視点がちょっと散漫かな(いや、「書け」って言われりゃ書けませんけどね(^_^;))? ただ、世界史でぼんやりと聞いていたレパントの海戦なるものが、どういった歴史上の意義を持つのかが多少なりとも分かったので収穫はあったのか…。確か「ガレー船で行われた最後の大規模海戦」「イスラム社会とキリスト教社会の衝突」とかって習ったような気がしたけど、世界史は基本的に寝ていたもんであまり覚えてない(笑)。
フジフィルムにFDiネットサービスというのがありまして、IDをもらって、受け取り店を指定して、画像データをアップロードすると出力したものを受け取れるというサービスなんですが、とりあえずどのくらいの品位で出力されるのかが分からないとどうしようもないので、1件頼んでみました。頼んだデータは実は自分の部屋で撮影した自分の証明写真なんですが(笑)、3cm*4cmの画像がL版だと9枚入るんですね。1件指定すると500円+50円/L版1枚となるんで、1枚当たり61円。当然、証明写真を撮影してもらう、もしくはインスタントの証明写真を撮るより安いうえに、(良く撮れたという意味で)気に入った写真を証明写真として使えることと、画像処理したものを「写真」として出力できるというメリットが大きいかなと。
で、撮影はどうやったのかというと、文具店で黒模造紙(100円)を買ってきて壁に貼りまして、ディフュージョンペーパーを使って拡散させた500Wのフォトランプ(5500K)2灯を照明にして、昔、自室をスタジオとして使えるようにと買っておいた3m*5mの白布を側面に垂らして、しばらく使ってなかったせいか壊れたらしい露出計を無視して(^_^;)、内蔵露出計で出た値から1段づつのオートブラケットを設定してタイマーで撮りました。ブラケットの1段オーバー側でほぼヒット(笑)。ネガが現像からあがったら、フィルムスキャナで取り込んで、もちろん画像修正。目の下のくまを消して、頬の赤みを軽減、アンシャープマスクを少しかけて(一人で撮影したからピンが甘い)、網点読みながら色補正。完璧(笑)。まあ、背景までの距離が確保できないんで少し影が出ましたけど、だいたい照明は回ってるしオッケーかなと。でかいキャッチはできませんけど、入れようと思えば覆い焼きツールでも何でも使えば良いし(笑)。女性を撮影するなら箱バン作りますけど、自分を撮影するのにそんなことはやらない。あ、これ商売にしても良いなぁ(笑)。
イベントで撮影したものを1つだけ。あれぇ、REALAって硬くなったのかなぁ、あんな曇天で撮影して、なぜこんなにガチガチ? 発色が良くなってそう見えるのかな? なんか下のFinePixで撮影した物の方がきれいな気もするし…。ということで写真ネタでした。